ワイルドスワンズの革小物は末長くご愛用いただくため、特に以下の点にこだわり製作しております。
縫製は機械式ミシンではなく足踏み式ミシンを使用し、深く、ゆっくりと丁寧に縫製しております。一度戻し再度縫い直す「返し針」と呼ばれる縫製をテンションがかかる部分に使ったり、一度縫製を留めて縫い直しを行ったりすることで、より力がかかりやすい部分への配慮を行っております。また糸は革に食い込みながら深く入っておりますので、ヒップポケットに製品を入れたりすることで財布自体がこすれる環境でも糸が切れにくくなっております。

再度縫い直す返し針部分
通常お財布などのコバ処理は、顔料をコバ部分に塗り、その表面張力で丸みを出していく製法が一般的です。しかし一度に厚く塗ったりするとコバ部分がはがれる原因になったり、一度傷ついたコバを修復することも難しくなります。ワイルドスワンズの製品では、コバ自体は色づけをする前に鉋と包丁で丸みをしっかりとつけ、染料を使い革自体に直接色づけを行います。その両行程を行ったあとに、艶がでるまで磨き上げます。この製法を行うことにより、使い込んだあとにできるコバの傷を修復しやすい製品が完成します。修復したい場合は、製品に付属しているスリッカーと呼ばれるコバ磨きをコバ部分にあててこすることで製品を修復できます。

写真上:磨き込まれたコバ部分
写真下:コバを磨くスリッカー
【マシュア社(Tannery Masure)/ベルギー】
マシュア社は1873年に創業したベジタブルタンニン鞣しを得意とするタンナーです。ベルギーは欧州の中でも古くからの農業国ですので、畜産や皮革文化の歴史も長く、革の鞣しに関しても伝統に育まれた技術をもっています。ドイツやフランスが得意とする画一的なクローム鞣しと相反して、ベルギーでは公害の少ないタンニンを用いて革をなめし、革本来の表情を活かしていくのがベルギーの伝統的な鞣しの特徴です。
サドルプルアップのサドルとは馬の鞍をさし、もともとは馬具などに使用されていたためこの名前がついたと思われます。この革は、堅牢度、耐久性に非常に優れております。なおかつ通常の皮革よりも多めにオイルをしみ込ませてあるので柔軟性にも富んでおります。そしてプルアップとは、革を折り曲げたり、引っ張ったりしたときにオイルは繊維内を移動して表面の色が変わる「プルアップ効果」が名前の由来です。

プルアップ
牛革の中でも平均的に厚めの皮が取れる成牛の肩(ショルダー)の部位を使っております。繊維密度が高くコシが非常に強いのが特徴です。またトラと呼ばれる首のしわや血筋が若干見られるパートのため革の表情は画一的ではなく裁断効率は悪くなりますが、感触が良く透明感があり使い込むと光沢と風合いが増し徐々に馴染んでいき、自分だけのものに変化していきます。クローム鞣しの顔料仕上げで均一的な表情をした画一的な大量生産の革と異なり、ナチュラルな仕上げだからこそ革小物製品になってからも呼吸をしながら生き続けることができ、キズや色の変化が加わりながら持ち主とともに年齢を刻んでいける皮革です。
(トラや血筋はなるべく表版には出ないように製品を作っておりますが、エイジングを楽しむために、天然の風合いを大切にした高級皮革ですので商品によって革の風合いが異なりますことをあらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。)

トラ
●サドルプルアップのお手入れについて
サドルプルアップはある程度油分を含んだ革ですので使い始める前にクリームなどを塗る必要はありません。ご使用中に革が乾いたと感じることがあれば、ニュートラルのクリーム(靴用などの皮革クリームで大丈夫です)を布にかるく塗布していただき、革全体に薄く円を描くように馴染ませてください。

【ワルピエ社(Conceria Walpier)/イタリア】
イタリアのトスカーナ地方にある老舗タンナー、ワルピエ社。その代表的な革ブッテーロはサドルプルアップと同様、部位としては牛革の中でも平均的に厚めの成牛の肩(ショルダー)の部分を使っております。トラと呼ばれる首のしわや血筋が若干見られるパートですが、トラや傷を隠すためのクローム鞣しでの顔料仕上げはせず、あえて植物タンニン100%鞣しの染料仕上げを行っております。繊維密度が高くコシが強く、自然の風合いとカラーバリエーションの多さ、透明感ある発色の良さが特徴です。しっとりとした手触りの素材は使い込むにつれて艶が増し、色が深くなり独特の味がでてきます。
タンニン鞣しの革はクローム鞣しの革に比べ暖かみがあります。天然に近い革のためキズには弱く、濡れるとシミになりやすい大変デリケートな素材です。多少のキズは避けられないものですが、それもこの革の味として経年変化をお楽しみいただければと思います。

●ブッテーロのお手入れについて
ブッテーロはある程度油分を含んだ革ですので使い始める前にクリームなどを塗る必要はありません。ご使用中に革が乾いたと感じることがあれば、ニュートラルのクリーム(靴用などの皮革クリームで大丈夫です)を布にかるく塗布していただき、革全体に薄く円を描くように馴染ませてください。
【バダラッシー・カルロ社(Badalassi Carlo Srl)/イタリア】
バダラッシー・カルロ社はイタリア古来の伝統的な革鞣し技法であるバケッタ製法を研究していた先代が、その製法を現代に蘇らせたことで有名なタンナーです。そのルーツは中世まで遡り、一部では8世紀頃から始まったとも言われています。
効率優先のため現在の多くの革は合成油・魚油を使い、機械化の導入をたどる一方ですが、バダラッシー社は時代に逆行するかのように伝統的な革作りを貫いています。化学薬品ではなく、植物性タンニンを用い時間をかけて鞣された革に、家畜牛のすね骨や無蹄足を煮沸して採取した純度の高い「牛脚油」で時間をかけながらゆっくりと加脂しています。油が浸透しにくいのでとても時間と手間がかかる作業ですが、その代わりにオイルが抜けにくく、使い込んだ時の色艶のあがり方が綺麗で、美しくエイジングされるのが特徴です。
リスシオは質感も柔らかく、使い始めはマットで光沢のない革ですが、使うほどに色が深くなり、どんどん艶が増していくので変化の仕方がとても劇的です。エイジングを好まれる革好きの方はご満足いただけます。

●リスシオのお手入れについて
リスシオ革はオイルがたっぷり含まれておりますので使い始める前にオイルなどを入れる必要はございません。日常使いの手の平から出る油分、水分で十分に補えます。たまに軽くブラッシングして垢をとり、柔らかい布で全体を軽く乾拭きすると艶があがります。ただし力をいれて擦るとその部分だけ色が深くなってしまいますのでご注意ください。

【チェルケス デュプイ社(Tanneries Du Puy)/フランス】
ガルーシャシリーズは、世界でも有数に美しく、硬度のあるガルーシャ(エイ)の革とフレンチカーフをコンビにしております。
味が出てくるというよりはずっと奇麗に使っていただけるガルーシャは、背中の部分の軟骨を削り取り美しく滑らかな仕上がりにしております。フレンチカーフのチェルケスはフランス名門タンナーであるデュプイ社が造るカーフ(生後6ヶ月の牛)の型押しの革で、フランス革ならではの発色の良さと、キズがつきにくく色落ちしないことが特徴です。
●ガルーシャシリーズのお手入れについて
お手入れ等は特に不要です。ガルーシャの皮革部分はくすみの原因となりますのでオイル等は入れないでください。また日光で変色していきますので長時間日光のあたるところに置くことは避けてください。フレンチカーフ部分が傷ついてしまった場合は、靴と同じ要領で補色していただければ充分です。
コバに傷がついたり、へこんだ際には付属のスリッカーと呼ばれるものをコバ部分に当てはめ、若干力を入れ素早くこすってください。摩擦熱で表面の染料が溶け滑らかになり元のようなコバを復元することができます。
便利な道具ですが注意点として、製品を購入後はしばらく使わないでください。
購入当初は弊社の仕上げによりコバが磨かれておりますので、それを磨き直すことは逆に製品の見栄えを損なってしまいます。1年後~2年後、稼働部などコバが荒れてきた時や乾いてしまった時、また傷やへこみが出来た時にお使いください。荒れてしまった時はベビーオイルなど無色のオイルを若干塗布し磨いていただくと艶がもどります。
革のお手入れにつきましては「素材について」の項をご参照ください。

弊社製品にはギャランティカードと呼ばれる品質保証カードをつけております(一部例外品がございます)。こちらのカードを番号管理することによりお客様の購入製品を把握し、お修理、お手入れのアドバイスにつとめています。
ギャランティカードは初期不良に対しては無償でのお修理をお約束しますが、使用されてある程度の年月がたった製品に関しましては有償でのお修理、もしくは製品交換とさせていただきますのでその旨あらかじめご了承ください。
普段ご愛用いただいているワイルドスワンズの革小物やバッグのリペア・サービスです。思い出の詰まった革小物やバッグを末永くご愛用していただくために、リペア・サービスでは修理内容を直接お客様とご相談し、その上で丁寧に修理いたします。
修理する製品はご購入いただいたショップにお持ち込みいただくか、弊社へ直接ご郵送ください。
●リペア・サービスのお問合せ
お電話でのお問い合わせ
ショップ: C.O.U.(Company of Utility) TEL.03-3563-5040
※営業時間:11:00~20:00、日祝11:00~19:00
オフィス: (有)ケイズ・ファクトリー TEL.03-6226-3533
メールでのお問合せ:info@wildswans.jp